エクセル帳簿は日々の仕訳を仕入帳に記帳することで、決算時に必要な帳簿を作成することができます。売上時の仕訳の入力の際にいくつかルールがありますので、その方法をご案内します。
また、仕訳帳は初期設定をすることにより入力がより簡単になりますので、仕訳帳の記帳前にはぜひ初期の設定を行うようにしてください。会計ソフトのように売掛金台帳に記帳しても仕訳帳に反映するという機能はありません。
目次
前年度からの繰越の設定
もし前年度の繰越がありましたら、シート名【前期繰越】の前年度の繰越試算表に昨年の貸借対照表の期末の金額をこちらに入力してください。また、各売上先の残高も入力してください売上の残高は前年度、成果が確定している分で、未入金の分になるはずです。
合計金額には売上先の金額は反映していません。貸借対照表の合計金額と同じです。
ちなみに今年度の元入金の計算方法は以下になります。
今年度の元入金 = 前期末の元入金 + 前期特別控除前の所得金額 + 前期末の事業主借 - 前期末の事業主貸
くわしくはこちらの15ページを参考にしてください。
仕訳帳への記帳方法
仕訳帳は初期設定を行っていればドロップダウンからの選択で簡単に入力することができます。
また、時々しか使用しないようなイレギュラーな仕訳に関しては直接入力することも可能です。※勘定科目はドロップダウンからしか選択できません。
仕訳帳の日付の入力
仕訳帳の日付は【202●/●●/●●】と入力するようにしてください。例えばこれを2016年の2月に、2015年の仕訳を入力している場合、【1/31】というように入力してしまうと、エクセルの性質上2016年の1月31日になってしまいます。
表面的には【1月31日】なので問題ないように思えますが、記帳したものを日付順に並び替える際に不具合が生じます。
成果確定時、入金(ポイント受取)時の仕訳
エクセル帳簿では、基本的に自由に仕訳を設定できますが、成果確定時、入金(ポイント受取)時の仕訳にはルールがあります。
【成果確定】、【振込】、【振込手数料】、【Amazonギフト券受取】、【楽天ポイント受取】は摘要2列目に売上先を入力する必要があります。(これは初期設定で、売上先を登録しておけばドロップダウンリストより選択するだけです。)
また、【成果確定】の時は、摘要の3列目に何月分の確定分かを【●月】と記載してください。
※例えば1月と表記を入れた分が、【月刊総括集計表】の1月の売上の金額となります。
仕訳帳記帳の注意事項
仕訳帳は、空白の行を作らず、上から順に記帳してください。空白があると総勘定元帳や売掛金台帳へうまく反映しません。
仕訳帳は、借方金額と貸方金額は同じ金額が入力されるように関数を入れています。しかし、何らかの原因で借方と貸方の金額が違って入力された場合には、その金額がそのまま転記されてしまいます。金額が合わない原因になりますので、借方と貸方の金額が一致しているかご確認ください。
仕訳帳は、行数をこれ以上増やすことはできません。また、<セル結合もしないでください。
仕訳帳から転記
仕訳帳の記帳が終わったら、【総勘定元帳】、【売掛金台帳】、【月間総括元帳】へ転記を行います。
シート名【表紙】を開き、【メニューを表示】をクリックすると、メニューのダイアログボックスが出現します。このダイアログボックスで転記の作業を行います。
【総勘定元帳へ転記】をクリックで、各勘定科目ごとの総勘定元帳へ自動で転記し、【売掛金台帳へ転記】をクリックで、総勘定元帳の「売掛金」の部分が、各売上先ごとに売掛金台帳に転記されます。
【月間総括反映】ボタンのクリックで、月間総括集計表へいままで記帳した分が反映します。月間就活集計表は、月ごとの売上先ごとの集計と、経費ごとのを集計が一目でわかる帳票となります。※売上先の月ごとの金額は、上記で説明したとおり、成果確定の時、摘要3列目に●月と記載した分です。
あとの【●●表示】というボタンはそれぞれのシートへのリンクになっています。
転記後の追記と修正について
メニューの【総勘定元帳へ転記】のボタンを押し、総勘定元帳にデータが反映すると、仕訳帳には「データ反映済み」という表記が出るようになっています。

この表記が出た後に、仕訳帳に追記した場合には、もう一度【総勘定元帳へ転記】と【売掛金台帳へ転記】と【月間総括反映】をクリックすると追記分のデータが、各台帳へ転記されます。
一度追記したデータを修正したい場合には、メニューボタンの【初期化】ボタンをクリックし、仕訳帳のデータ以外を初期化してから、仕訳帳を修正し、再度各台帳へ転記させてください。
一度転記してしまったデータは、仕訳帳を修正したとしても反映することはありません。
記帳したデータを日付順に並び替える
メニューの【降順】というボタンをクリックすると、記帳したデータを一括で日付順に並び替えることができます。これは転記した後からでも、転記する前でもどちらでも大丈夫です。
※次年度の設定メニューで勘定科目、売上先を変えると反映しません。次年度で変える必要がある場合には、項目を確認しながら一つずつ金額を入力してください。
まとめ
仕訳帳への記帳で気を付けていただきたいのは、
- 日付の「年」を帳簿の年度に合わせる
- 成果報酬など売上関係の項目は摘要2列目に売上先を入れる
- 成果報酬は摘要3列目に●月と成果確定月を入れる
この3点です。
マクロの動作に関わる部分ですので、記帳の際にはお忘れのないようお願いします。
あとは、初期設定をしっかりして、仕訳帳への記帳さえ間違わなければ、損益計算書や貸借対照表まで一気に作ることが可能です。
今わたしが使用しているのは【マネーフォワード クラウド確定申告】です。こちらは銀行口座やカード明細、Amazonからの購入履歴が明細データとして自動取得され、ワンクリックで自動で仕訳されるので毎年助かっています。
こちらのエクセル帳簿は前述しているとおり、勘定科目と仕訳票の行数に制限があります。今後事業を拡大していく上では、使い続けていくのは難しくなるでしょう。私自身もはやエクセル会計は使用していません。
制限はありますが無料でお試しが出来ますので、検討されている方は登録してみてください。もちろん無料から有料への切り替えの際に、入力していたデータは引き継ぎされ消えることはありません。