年度末までの仕訳の入力がすべて終了したら、決算時に行う確認事項と減価償却の処理があります。今まで入力した仕訳に間違いがないかどうかを判断するためにもご確認ください。
目次
仕訳が間違っていないかの確認
仕訳の入力が終わったら、転記されたそれぞれの台帳の金額を確認しましょう。表紙のメニューボタンより「総勘定元帳へ転記」、「売掛金台帳へ転記」、「月間総括への反映」、そして「昇順」のボタンをクリックして、全て帳簿に反映させ、日付順に並べてから行うとスムーズに行うことができます。
転記後の仕訳帳に修正する部分があったら、メニューボタンの【初期化】ボタンをクリックし、仕訳帳のデータ以外を初期化してから、仕訳帳を修正し、再度各台帳へ転記させてください。
転記後の仕訳帳に追記した場合には、もう一度【総勘定元帳へ転記】と【売掛金台帳へ転記】と【月間総括反映】をクリックすると追記分のデータが、各台帳へ転記されます。
現金出納帳
手元にある現金の金額と現金出納帳の残高と合っているかチェックしましょう。
金額が合っていない場合にはもう一度領収書などを照らし合わせるか、仕訳での入力が間違っていないか確かめます。
普通預金出納帳の確認
普通預金出納帳は手元の通帳と同じ項目になっているかチェックしましょう。
事業用に通帳を分けている場合は、事業開始日から年末までの通帳に記帳されている項目すべてが普通預金出納帳と合っていて、年末最後の残高が通帳の残高と一致しているはずです。※利子の入金などに注意。
総勘定元帳の未払金の確認
事業用のクレジットカードを使っている場合、総勘定元帳の未払金に入力された項目は事業用のクレジットカードの明細と一致しているはずです。抜けがないかチェックしましょう。
各売掛金台帳の確認
12月31日の残高は、すでに確定済みで、かつ、入金がまだされていない金額になっているはずです。
正しければ、総勘定元帳の売掛金の残高は各売掛金台帳の残高の合計金額になっているはずです。
合計残高試算表と精算表の確認
この2つの帳簿は、合計金額が自動的に合っているはずです。もし違っている場合には、「合計が合ってません」とエラーメッセージが出るようにしています。
エラーメッセージが出ていた場合は、仕訳帳の金額が借方と貸方が合っていない可能性があります。仕訳帳の金額は自動的に借方と貸方が一致するように関数を入れています。もし合計の金額が合っていない場合には、計算式が消えている可能性がありますので、仕訳帳の金額を見直してください。
月間総括集計表の確認
月間総括集計表の各売上先の一年間の合計は、各売掛金台帳の前期繰越の金額を除いた借方の合計です。確認してください。
また、各経費の合計は総勘定元帳の経費それぞれの合計です。確認してください。
減価償却資産台帳の作成・減価償却費の仕訳
もし10万円以上の減価償却資産の購入があった場合や、開業費の償却をする場合には年度末に行います。くわしくは別記事にて減価償却のご説明をします。
青色申告決算書の確認
青色申告者は青色申告決算書の1~4を確認してください。白色申告者は後述します。
青色申告決算書は印刷してもこのまま提出することはできません! エクセル帳簿のユーザーに必要がありそうな部分を抜粋して作成していますので本書類とは異なりますのでご注意ください。
青色申告決算書1
43番の「青色申告特別控除前の所得金額」がシート「月間総括集計表」の利益の合計の金額(一番右下)と一致しているか確認してください。金額が合っていない場合には勘定科目の抜けがないか、金額部分に入っている関数が消えていないか確認してみてください。
また、44番には65万の控除か10万の控除かを入力する必要があります。
青色申告決算書2
「月別売上(収入)金額及び仕入金額」の金額がシート「月間総括集計表」の各月毎の「売上小計」と一致しているか確認してください。また、雑収入の数字は反映していません。必要な場合にはご自身で手入力してください。
「青色申告特別控除額の計算」の8と9は「65万円の青色申告特別控除を受ける場合」か「上記以外の場合」のどちらかをご自身の状況に合わせて選択し、本書類へ記載するようにしてください。
青色申告決算書3
減価償却資産台帳に記載している場合にはこちらにも反映するはずです。もししていない場合には関数が消えていないか確認してください。
青色申告決算書4
貸借対照表(資産負債調)の期首の金額は「合計残高試算表」の期首残高と一致します。また12月31日期末の金額は「精算表」の貸借対照表の金額と一致します。「青色申告特別控除前の所得金額」は精算表の「当期純利益」と同じです。
※元々あった「その他の預金」と言う項目を「普通預金」に変更しています。もし複数の口座がある場合には普通預金を「その他の預金」に戻し、口座の合計を手入力してください。
収支内訳書の確認
収支内訳書は白色申告者に必要な書類です。エクセル帳簿の収支内訳書は印刷してもこのまま提出することはできません。本書類には他にも記載する事項がありますが、作成に必要な最低限項目のみを載せている「下書き」という感じです。
収支内訳書1
21番の「所得金額」(一番右下)が月間総括集計表の利益の合計の金額(一番右下)と一致しているか確認してください。金額が合っていない場合には勘定科目の抜けがないか、金額部分に入っている関数が消えていないか確認してみてください。
収支内訳書2
「売上(収入)金額の明細」については自動で取得しません。シート「月間総括集計表」の各売上先の合計欄を見ながらご自身で入力してください。※こちらはASPの会社名を記載することになりますのでご注意ください。
「減価償却費の計算」につきましては減価償却資産台帳に記載している場合のみ、表示されます。表示されない際には、関数が消えていないか確認してみてください。
帳簿の印刷
すべて確認作業が終わったところで、帳簿の印刷を行います。
プリントアウトし保管の必要な書類
印刷する帳簿は以下のものになります。
- 仕訳帳
- 総勘定元帳
- 現金出納帳
- 普通預金出納帳
- 売掛金元帳
- 減価償却資産台帳
- 合計残高試算表
- 精算表(損益計算書・貸借対照表含む)
総勘定元帳や売掛金台帳は一行でも記載があったらすべて印刷することになります。これらは7年の保管義務があります。
印刷する帳簿以外にも以下の書類も同様に7年の保管義務があります。
- 税務署へ申告した決算書の控え
- 領収書(感熱紙のレシートは文字が消える為、コピーしていた方がよい)
- 預金通帳
また、請求書、見積書、納品書、発注書、契約書などは5年の保管義務があります。
エクセル帳簿を印刷するには
たとえば、仕訳帳をそのまま印刷してしまうと記載のない行の部分もすべて500行分印刷されてしまいます。インクの無駄ですので、入力のない行は「非表示」にしていただいてから印刷しください。
不要な行をすべて選択し、行番号の上で右クリックを押すと、ダイアログボックスが出てきますので、そこで非表示を選んでください。
総勘定元帳や売掛金台帳にはシートの保護をかけています。メニューバーの【校閲】で【シートの保護の解除】を行ってから非表示を行ってください。終了後は念のため、再度【シートの保護】を行ってください。
※絶対に行を削除しないでください。マクロが動作しなくなります!!
印刷が数ページに及ぶ際には、どのページにもタイトルが印刷されるように設定しています。また、仕訳帳などの「データ反映」という文字や、説明を記載している図形などは印刷されません。
データを次年度へ繰越
出来上がった帳簿のデータは、次年度へ引き継ぐことができます。新たにエクセル帳簿をこちらからダウンロードしていただくか、今お使いのファイルを初期化し、仕訳帳のデータを決して、もう一つのエクセル帳簿のファイルを作成します。
今年度のエクセル帳簿の名称が、エクセル帳簿2016なら、次年度はエクセル帳簿2017などご自身でわかるようにしてください。
今年度のシート名「次期繰越」に「●●年度(次の年度) 繰越試算表」という表の黄色の部分を、コピーします。
それを、新たにダウンロードしたエクセルファイルのシート名「前期繰越」に同じように「〇〇年度(前の年度) 繰越試算表」がありますので、黄色の部分に「値のみペースト」します。。普通にペーストすると、計算式もコピペしてしまいますので、必ず値のみのペーストでお願いします。
まとめ
金額が合わない場合には、仕訳が抜けていないか、入力した金額が間違っていないか、エクセルの関数が消えていないかを確認してみて、ひとつひとつ原因を追及してください。
印刷した帳簿は間違いなく保管期限を守りましょう。万が一、税務調査が入った場合にはこれらを調べられることになります。